2016年9月16日金曜日

はり新の観光案内 〜「足場の塔」/古都祝奈良(ことほぐなら)〜


● 時空を越えたアートの祭典として「古都祝奈良(ことほぐなら)」が開催中です。1000年以上前に失われた大安寺の巨大な七重塔を彷彿とさせる「足場の塔」を大安寺会場にて拝見してきました。七重塔に比べると低いものですが、これをきっかけに巨大な塔の姿を想像すると結構楽しくなりました。

       → 詳しくは「古都祝奈良」HPへ


● 公式HPによると・・『日本、中国、韓国の3カ国で、文化による発展をめざす都市を各国1都市選定し、各都市が行うさまざまな文化プログラムを通じて交流を深める国家プロジェクト「東アジア文化都市2016奈良市」のコア期間プログラムとして「古都祝奈良(ことほぐなら)ー時空を超えたアートの祭典」を開催』と説明されています。国際的なアーティストが集い、奈良の各地で何か面白いことを見られる!ってことですね。

会場は、東大寺、元興寺、興福寺、大安寺、春日大社、薬師寺、唐招提寺、西大寺の八社寺のほか、なら100年会館、平城京跡、ならまち界隈となります。開催期間10月23日まで。

 まず、今回は大安寺東塔跡地に「足場の塔(川俣正さん作)」を見てきました。火災で失われた大安寺七重塔を足場丸太を組み上げて再現するとのこと。材料は奈良県産の丸太1500本と番線(ワイヤーコード)。釘は一切使っていないそうです。大安寺式伽藍配置では塔は金堂からおおきく離れて南大門の外側に位置します。現在の大安寺南大門から南に約200m進んだところに東西の塔跡があり、その東塔跡地で「足場の塔」は組み上げられていました。すぐ横にある塔跡と重ねて見ると、当時の風景が想像できそうです。

 足場丸太を組み上げただけの塔ですが、かつての大安寺の姿を重ねてみることができたら、これは貴重な体験になります!
奈良県産の足場丸太を約1500本10日間で組み上げた作品です。大安寺は、百済大寺 → 大官大寺 → 大安寺と場所と名前を変えて平城京遷都の際に現在の地に移ってきました。百済大寺、大官大寺にも高さ100mの九重塔があったと考えられています。筆頭寺院として国家の威信を示さなければならない宿命のためか、この寺院は藤原京に於いても平城京においてもその時代で最も大きな塔を備えることになり、常に落雷などの自然災害の標的とされて来ました。都が奈良を離れて朝廷の後ろ盾を失うと落雷により焼失した塔を再建することはできなくなりました。それを考えると、今回の「足場の塔」には深く感じいるものがあります。

 大安寺までは週末はJR奈良駅、近鉄奈良駅から1時間に1本のシャトルバスが出るそうです。奈良町から歩くには少し遠いのでバスでの移動をお勧めします。
(追加・・受付の方に台風が来たらどうするのか聞いて見ました。釘を使わずに番線で締めながら組み上げただけなので、台風の直撃などあるとどうするのか分からないそうです。台風のあとに訪問される際は電話で確認されたほうが良いと思います)

美術、舞台芸術、食の3つを大きなテーマとして8社寺の他、なら100年会館、
平城宮跡、さらに奈良町界隈でも楽しむ事が出来ます

大安寺の塔は七重塔で高さ70m以上であったと聞きます。「足場の塔」は高さ22mなので、本来はこの3倍以上の高さがあったことになります。当時は「そびえたつ」という表現そのものだったんでしょうね。
「足場の塔」へは大安寺南大門から、この道を南に200mほど進みます。

現在の塔跡(東塔跡)




西塔跡




0 件のコメント:

コメントを投稿