2017年8月29日火曜日

はり新の観光案内(天河神社@天川村)

●先日、天川村の天河神社(天河大弁財天社)に行ってきました。十津川村の玉置神社とおなじく、こちらも『縁が無いと辿り着けない』と言われる神社で、ネット上では摩訶不思議な体験談の書き込みが多いところです。日本三大弁天のひとつに数えられると同時に芸道の神としても尊崇されているため、芸能人がお忍びでお詣りする神社とも聞きますが、今回は残念ながら誰にも会えませんでした(笑)
天河神社、通称 天河大辨財天社


●奈良県吉野郡天川村は村のHP(http://www.vill.tenkawa.nara.jp/)にも書かれているように『温泉・キャンプ・釣り・星空が堪能できる観光地』としてPRされています。天河神社はその天川村のほぼ中央に位置し、奈良町から京奈和自動車道を使って車で約1時間20分の距離ですが、道中のトンネルは広く明るく快適なドライブでした。道中トラブル無く天河神社に到着できたので『ご縁があったんだ!』と単純に大喜びしながらの参拝でした。(音楽・芸術の神様ということで、今回の参詣は吹奏楽を○十年嗜む当店女将のたっての希望によるものでした)

天河神社を正面から撮らせて頂きました
 御祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)で水の神であると同時に弁舌・才智の神、音楽・芸術・芸能の神、財宝の神としての御神徳があるそうです。こちらの神社は役行者が霊山大峰の開山拠点としたので大峰本宮とも言われるそうです。奥宮が弥山(みせん)山頂にあるようですが、天河神社だけの参拝なら境内はそれほど広くないので、神社の雰囲気を味わいながらゆったりと散策する気持ちで望まれるといいと思います

 境内の階段最上部には大屋根に覆われた拝殿がありますが、そこに祀られる御祭神の正面には能舞台がありました。この大屋根の下にいるだけで何かに守られているような安心感がありました。この空間がとても気持ちよくて、このまま一日中座っていたい気持ちになりますね。
拝殿は大きな屋根に覆われています。本殿に対して正面には能舞台があり7月の例大祭や春秋の大祭には能楽奉納があります。

 拝殿の上を見ると有名な五十鈴がありました。まず、縦方向に振ってみましたが鳴りません。縄が太いのと鈴まで距離があるので中途半端では力が伝わってくれません。円を描くようにブンブンと廻してみましたが鈴が共鳴してくれません。私にはセンスが無いようでした。

 ネットの書き込みを読んだり「縁が無いと辿り着けない」などと言われると、背筋がピンと伸びるような神々しい空気の神社を想像していましたが、私には居心地の良い優しい空気の神社でした。

 参拝の後は近くの洞川温泉へ直行です!


こちらが五十鈴


正面右手には稲荷神が祀られています。
 天河神社の近くには避暑地で有名な洞川温泉があります。帰りは洞川温泉で美味しい鮎を食べて帰ってきました。(みたらい渓谷にも立ち寄りましたが、駐車スペースがなくてこちらは断念)
 天川村といえば名水「ごろごろ水」も有名です。次回は水を求めて行きたいと思います。

帰りに洞川温泉に立ち寄って、奈良県民の常備薬 陀羅尼助
購入しました。「だらにすけ羊羹」も買いました!!







 

2017年8月21日月曜日

はり新の観光案内(高天彦神社@葛城古道)

●奈良県御所(ごせ)市にある高天彦神社に行ってきました。古事記の中で神々が住まう天上界「高天原」のモデルとも言われる地で、最高神 高皇産霊神(タカミムスヒノミコト)を祀る素晴らしい古社です。

金剛山登山道から見た高天彦神社への参道です。
杉並木の向こうに社殿が見えます。参道の奥に社殿、そしてさらに奥には御神体山である白雲嶽がそびえ、その周囲は神さびた厳かな空気を醸しています。


●難しい説明は後にして・・。
 こちらは真夏に参拝するには最適な神社だと思います。奈良盆地に対して2~3℃ほど気温が低いうえに山から吹く風が気持ち良く、清々しい境内でした。

 高天彦神社はパワースポットとして話題に上ることが多いようですが、私が訪れた時は登山者が多く、どちらかというとパワースポットハンターが集う神社というより山中の安全を請け負う登山者のための神社という印象でした。境内の東屋ではご老人がお一人、読書を楽しまれていました。山を少し下ったところに住んいらっしゃるが、真夏の昼は神社に涼みに来ることが多いとか。神社のこと、山のこと、周辺のお寺についてお話ししてただきました。
 
 こちらは交通の便がよいとは言い難い立地にあるのですが、それ故に自然が残っていてます。桜井の大神神社と同じく御山をご神体とする原始信仰の形を取りますが、人の手が入ってない部分が多いためより神々しい雰囲気が漂います。

 私にはパワースポットの感覚はよく解りませんが、この神々しく清々しい気持ちがそれかもしれませんね。秋には臨時バスが出て参詣も容易になるそうですが、小さくても神々しい雰囲気で観光客の少ない神社がお好みなら真夏に参拝されることをお勧めします。境内でゆっくりと考え事をするのにも良いと思いますよ。

 なお、こちらには神職の方は常駐されていませんので、御朱印は近くの高鴨神社で頂くこととなります。

●御所市と高天彦神社について調べてみました。

 御所市は奈良盆地西南部にあり、金剛山・葛城山から平地に繫がる緑豊かなところです。ここには5世紀頃、大王家(のちの天皇家)と両頭で大和政権を担っていた葛城氏の本拠地があり、山の麓は神々を祀る聖地であったと考えられています。

 金剛山の中腹にある高原台地は古くから高天と呼ばれ、これが「高天原」の伝承地ともいわれます。古事記で神様たちが住まう天上界とされる場所ですね。この高天に於いて神々の祖神とされる三神の一柱 高皇産霊神を祀るのが高天彦神社で、金剛山系の白雲嶽をご神体としています。

 高皇産霊神は古代豪族 葛城氏の最高神で、天孫降臨の号令を出し、天照大神とともに高天原における最高意志を示す神として語られています。


少しアップにしてみました。ご神体は
社殿背後にそびえる神体山(白雲嶽)ですが、
近すぎてこの辺りからよくわかりません。



重厚感のある狛犬が神域を守っていました

狛犬の苔が周囲の自然と調和しています



手水舎では山からの湧き水を蛇口から放出されていました。凄い勢いですよ!少しでも新しい水が欲しくて蛇口に柄杓を出したら、跳ね返りで不覚にもビショ濡れになってしまいました。素直に溜め水を頂きました。


 境内で読書を楽しんでいらっしゃったご老人に橋本院へ行くことを進められたので、高天彦神社を出て教えられた方向に歩きました。集落を抜けて暫く進むと見晴らしの良い台地に出ました。
橋本院に向かう途中でみた風景。高天彦神社で気持ちよく涼んですっかり忘れていましたが、"史跡 高天原"も御所に来た目的のひとつでした。奥に繁る木々の向こうに奈良盆地を見下ろせるはずです。この辺りが"高天原"でしょうか。

振り返ると金剛山







もう少し歩くと駐車場の角に"史跡 高天原"と
書かれた石碑がありました
足元には案内版。やはりこの辺りが
高天原のようです。

案内版から推察すると、この辺りが高天原の北端のようです。この茂みの向こう側が急傾斜になって奈良盆地に繫がります。この台地から奈良盆地に瓊瓊杵尊
(ニニギノミコト)が降り立つと"天孫降臨"ですね。



2017年8月6日日曜日

はり新の観光案内(高鴨神社@葛城古道)

●京都の上賀茂・下鴨神社など、全国にある賀茂神社の総本宮といわれる葛城古道・高鴨神社に行ってきました。ここは数多くの神話や古代史の舞台になった地で、パワースポットやミラクルスポットとして有名な場所です。
高鴨神社 本殿前。一般に総本宮といわれる神社では、大きな境内、大きな鳥居と立派な本殿に圧倒されることが多いのですが、こちらの神社のそれらは決して大きくありません。しかし、本殿周辺の凛とした空気から神域にいる事を強く感じられてとても素晴らしい空間です。猛暑日に参拝したのですが、風が通り抜けてとても気持ちの良い境内でした。


 かづらき煌ネットワーク作成のパンフレットによると、この周辺は
『葛城と河内にまたがる金剛・葛城の山々は、神が宿る聖なる山として古代から人々に崇敬され、多くの神話や古代史を今日に残しています。今から12,000年前(縄文海進の頃)葛城の東の巨勢山との間に大阪の河内湖に連なる湖があり、山の幸や海の幸に恵まれ、古代葛城は豊かな文化を持っていたと伝えられています。この事が後の葛城氏や鴨氏の隆盛につながる素地となっていたのだと思われます。』と説明されています。

 ここはかつての大豪族 鴨氏が誕生した地。鴨氏は早い時期から高度な製鉄技術を有したそうです。また、天体観測を行い暦を作ることにより効率的な耕作方法を確立し、薬草を取り扱う薬学の知識も持ち合わせていたそうです。

 のちに日本最古の胃腸薬(陀羅尼助)を生んだ修験道の開祖 役行者も鴨族の出身だそうです。陰陽師 安倍晴明の師 賀茂忠行も鴨族の出身だそうです。

 その鴨氏が弥生時代中期に阿遅志貴高日子根命(あぢしきたかひこねのみこと)を祀ったのが、この高鴨神社の始まりだとか。

 この神社の西側には金剛山が迫り、金剛山の麓には「古事記」で神々が住まわれる天上界 "高天原" のモデルとも考えられる台地が拡がります。

 高鴨神社に参拝できた日は、大気の状態が非常に不安定な日でした。雲の切れ目から青空が見えていても、すぐに金剛山を越えた黒い雲に覆われて、さらに雲の切れ目から日が差し込んできて。これらの光景を見ていると、古代の人々が此の地に神がかった感情を抱くのも少し理解できました。


とても歴史のある神社のようです
茅の輪が用意されていました
神社境内から鳥居と茅の輪を眺めてみました
 
こちらの神社では夏越しの大祓式は旧暦で執り行われるようです。先日、大神神社で茅の輪をくぐらせていただいたのですが、(念のため?笑)こちらの茅の輪もグルグルと何度かくぐっておきました。


 ★ 後日ご紹介予定の高天彦神社は史跡 高天原の近くに
   ある神社です。高天彦神社に神職の方は常駐されていま
     せんので、御朱印は高鴨神社でいただく事になります。