●現在、東大寺ではJR西日本キャンペーン「ちょこっと関西歴史たび」として重要文化財「大湯屋」が公開されています。大湯屋には、俊乗房・重源の命で鋳物師の草部是助が建久8年に作った大きな鉄製の湯船(重要文化財)が据えられています。
南都焼き討ちで大打撃をうけた東大寺、鎌倉時代にその再建を支えた人々がサウナのように利用したと考えられているそうです。しかし、そもそも湯屋には"みそぎ"として"身を浄める"場として大切な役目もありました。
大湯屋の公開は今回が初めての事で、次はいつ公開されるのか全く未定とのこと。ボランティアさんの説明がとても丁寧なので、当時の様子を想像することが出来ました。(同時に重源上人の坐像(国宝)も7月31日まで特別に公開)
こちらが重要文化財の鉄湯船(鎌倉時代) 実際は写真で見るよりもっと重量感があります |
表面は腐食がすすんでいるように見えますが、約900年前に作られた鉄湯船です。この程度の腐食で留めているのは大切に大切に扱われてきたのではないでしょうか。 |
1197年に作られた鉄湯船は直径230cm、 高さ73cm、重さ1690キロ、容量は2キロリットル。現代の一般的なバケツで250杯の水が入る計算になります。 |
鉄湯船は唐破風で装飾された風呂屋形に納められています |
肉眼ではほとんど見えませんが、表面には 銘がきざまれているそうです |
現在は井桁の上に乗せられていますが、本来は土間に掘り込んだ穴に埋め込まれていたそうです。底には排水のための穴があるそうですが、大湯屋の下にはどんな下水設備があるのか質問してみましたが判らないようでした。 |
木壁一枚隔てた別室でお湯を沸かして運んだらしいです。こちらで薪を燃やして沸かした湯を桶で運んだのでしょうか。 |
公開は7月31日まで。俊乗堂での解説がとても面白くてとても勉強になりました。重源さんのイメージが全く変わりました。(どう変わったのかここでは記しませんが・・、それぐらいの大胆な人物でないと東大寺復興は果たせなかったと思いました) |
大湯屋を横から見ると意外と奥行きがあります |
湯船で水を湧かす必要がないのなら鉄で作る必要はないのにどうして鉄湯船なんだろう。疑問だったので調べてみると、鉄製の風呂(五右衛門風呂など)は鉄に蓄えられた熱のために冷えにくいのが特徴らしいです。また、使いこんでいくと酸化皮膜が鉄を保護してくれてサビを抑制してくれるそうです。
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