●今、JR西日本の「ちょこっと関西歴史旅 元興寺」にて奈良町の元興寺が注目されています。先日、特別企画の古代瓦見学に行ってきましたので、少しご紹介させて頂きます。
日本最古クラスの瓦を目の前でみることができます。作られてから1400年経った瓦が、いまも現役で働いています。
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●元興寺はかつて藤原京から平城京に都が移された時に、飛鳥にあった飛鳥寺(法興寺)を現在の地に移したもの。法興寺は、日本最初の本格的仏教寺院であったことから元興寺は日本最古の歴史をもつお寺といえます。奈良時代は南都七大寺の中でも東大寺に次ぐ規模を誇り、一時はリーダー的存在だったとも聞きます。
そんな大寺院の移築というと「新しい木材で造り直し」と考えてしまいますが、新しい木を見つけて切り出し乾燥、運搬加工する時間と手間を考えると解体して運搬、再組立するほうが効率的だったのでしょう。元興寺は法興寺を解体して運搬、現在の地に建てられることになりました。それは当時、貴重であった瓦についても同じで大量の瓦が運搬、再利用されたそうです。
奈良時代は官寺の中でもトップクラスの地位を誇った元興寺ですが、朝廷が奈良を離れると徐々にその力は衰退し土一揆に巻き込まれて伽藍の大半を失いました。後年、鎌倉時代に大改修をしましたが、その際にも法興寺時代の瓦を一部分に再利用することにしたそうです。結果、元興寺にはいまでも法興寺時代の瓦が一部の屋根に使用されているそうです。また、極楽堂西面屋根と禅室南面東寄りの屋根だけは行基式と呼ばれるやや異なった丸瓦を用いた行基葺きと呼ばれる葺き方をしているそうです。
1400年前の瓦が博物館で保管されているなら珍しくもない話ですが、今でも雨風から国宝を護っている事には驚かされます。古代瓦の魅力を理解するためには、仏像とは別の基礎知識が必要になりますね。元興寺HPなどにも瓦の説明がなされているので少し下調べをしてから見学された方がより楽しめると思います。(ボランティアガイドの方の説明は詳しく面白いので、それだけでも楽しめることはできますが)
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こんな間近から屋根瓦を見ることは滅多にできません。とても貴重な体験でした。
瓦の色が異なるのは瓦の焼成温度の違いから。窯の温度管理には高い技術が
必要なので、制作された時代により瓦の色が異なります。 |
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極楽堂の大屋根にある鬼瓦は鎌倉時代のもの。ボランティアの方から「中世の鬼瓦はめずらしいが、鎌倉時代
といえば元興寺全体からみれば新しい分類に入る」と説明されました。時間のスケールが違います! |
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表面が欠けたような瓦。瓦に含まれた水分が、冬場の凍てつきで爆ぜたもの。 |
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美しい風景ですね |
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こんな角度で浮図田をみるのも初めてのこと |
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小鬼さん、今日は浮図田に。以前は、桜の木の下でお見かけました。
他の4躯はいつもの場所にいらっしゃいました。 |
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このような高さ4mの特設足場の上から古代瓦を見学できます。
この写真で見るより狭い階段です。
階段の昇降しやすい服装、靴で行きましょう。
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古代瓦見学は9月17日(土)まで。15分ごとに入れ替え制ですが、ボランティアの方から詳しい説明を聞くことが出来ます。
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禅室の行基葺き瓦屋根
(写真はパンフレットから拝借) |