2018年6月27日水曜日

はり新の観光案内(風の神宿る 龍田大社@三郷町)

●廣瀬大社と共に平城京の裏鬼門を護る龍田大社にお詣りして来ました。"水の神"を祀る廣瀬大社に対して龍田大社で祀るのは"風の神"。スキージャンプの高梨沙羅選手がオリンピック前にお詣りした神社としても有名です。


●JR大和路線三郷駅から徒歩10分、信貴山の東麓・竜田に龍田大社は鎮座します。そこは奈良盆地と大阪平野を隔てる天然の要害(生駒金剛山地)の唯一の切れ目(谷)、山に吹き付ける風はこの谷間をすり抜けようとします。まさに風の流れを司るような場所です。

 その昔、大和川を舟で遡る場合、流れが急な亀の瀬の難所では一度荷物を下ろし、徒歩か馬で峠を越え(竜田越え)て再び舟を使ったそうです。日本書紀の中でも神武東征の折、竜田を越えて大和へ入ろうと試みたものの山道が狭く険しいので引き返したと記されているそうです。

 この龍田大社、毎年7月第1日曜日に執り行われる「風鎮大祭」が有名です。静かな行事の多い奈良の中ではとても迫力のあるお祭です。


風鎮大祭の模様
〈写真提供元 (株)奈良町情報館〉


 龍田大社のHPを拝見するとトップページ『風神 龍田大社』とかかれたロゴ近くに紅葉の図柄があります。この辺りは秋には紅葉の名所として有名で、近くを流れる竜田川に映える紅葉を模したお料理は「竜田揚」の名で広く知られています。
神社まで最寄り駅「三郷駅」から龍田古道に沿って歩きます。(龍田古道の案内版にも紅葉が描かれています)龍田古道は奈良時代に平城京と河内難波を結ぶ街道として重宝され、天皇行幸や遣唐使が大和に入る玄関口として利用された道と言われます。万葉集でも多くの歌人が龍田道でたくさんの歌を残していることから心情的にも重要な道であったと考えられるそうです。

三郷駅から約10分、少し急勾配の坂を登ると
神社正面に着きます


今から約2千年前 崇神天皇の御代、飢饉や疫病で人々が苦しんでいると"龍田山に天御柱命・国御柱命の二柱を祀れ"とのお告げがあり、この時に創建されたのが龍田大社だそうです。近くの三室山には「龍田神社本宮跡伝」と刻まれた石碑が建ちます。

鳥居をくぐり境内に入ります
拝殿まで特に長い参道ではありませんが、綺麗に手入れされているので広く感じます

個性的な表情の狛犬さん
拝殿が見えてきました
この日は拝殿越しに柔らかな風が吹いてきます

巻き付く縄が龍のように見えます


昇り龍を連想させますね


拝殿の左手には末社が並びます

龍田恵比須神社、白龍神社、三室稲荷神社

"風の神"のイメージが強いからでしょうか。
絶えず本殿からこちらに向けて心地よい風が吹いていた気がします。
桜の季節に行くと鳥居横の立派な桜に圧倒されます

●竜田には(紅葉をみるために)秋に行くことが多かったのですが、今回初めて4月と5月に訪れることができました。新緑が綺麗で竜田古道には古代ロマンを感じさせる話がたくさんあり、とても魅力的なところでした。龍田大社も綺麗で絶えず心地よい風が吹く気持ち良い神社でした。龍田大社を起点として竜田古道を歩いてみたいと思いました。
  
 なお、斑鳩町には龍田"神社"があるので龍田大社と龍田神社の関係を神職さんに聞いてみました。龍田神社は聖徳太子が法隆寺建立にあたり竣工の安全を祈り、龍田大社に日参された後に法隆寺の守り神として御分霊をお祀りした事が起源のようです。機会を作って龍田神社にもお参りしてみたいと思います。

★ 本ブログの作成には、奈良町情報館さん、針テラス情報館さん  にご協力いただきました。ありがとうございました。

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