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●絵図の左上には『花の陰 謡に似たる 旅寝かな』
貞亨5年(1688年)「笈の小文」の旅の途中、吉野の平尾村で芭蕉により詠まれました。「真蹟懐紙」には「大和の国を行脚しけるに、ある農夫の家に宿りて一夜を明かすほどに、あるじ情け深くやさしくもてなし侍れば」と前書きがあります。
『時は春、所は吉野。吉野の花に行き暮れて、たまたま宿を請うた見知らぬ農家の主に手厚くもてなされる。思えば、爛漫の花の木陰を宿とする今宵の旅寝は、なにか謡の中の旅人の趣きにも似て、まことに
優雅である』
一方、右上の漢詩は「鳥声非故國、春色是他郷」と記されています。「鳥の鳴き声を聞いて、故国を遠く離れていることを思い知るものである。また、春の訪れを感じながら他郷にある思いを深くする」との解釈でしょうか。
奈良町から吉野へは電車で2時間少しかかりますが、春の吉野はとても魅力的です。
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