●奈良漬けは奈良の特産品としてあまりにも有名ですが、好みがハッキリとわかれて「奈良漬け大好き!」という方から「奈良漬けは苦手」と手もつけない方までいらっしゃいます。実は奈良漬けも生産者により辛口から甘口まで味の幅があり、漬ける野菜も瓜、苦瓜、キュウリ、生姜の他、牛蒡、筍、玉葱、セロリ、西瓜、メロン、柿などバリエーション豊かです。また、切ってすぐに食べて美味しい奈良漬けから五日間ほど寝かしてから食べないと美味しくない奈良漬けもあります。奈良は奈良漬けの激戦地ですから各生産者は試行錯誤を繰り返して、より美味しい奈良漬けを研究しています。食べ比べてみると面白いですよ。
さて、今回ご紹介するのは奈良漬けを食べた後に残る粕の再利用。半割にした瓜の奈良漬を買うと奈良漬粕が残りますね。この奈良漬粕に魚や肉を漬け込んから焼くと芳しい酒香が堪らない粕漬け焼きを楽しめます。奈良漬けは、その製造に手間と時間がかかるため意外と高価なお漬け物です。奈良漬けだけ食べて残った粕を捨ててしまっては、あまりにももったいない。昔から奈良では残った奈良漬粕に、野菜や肉、魚を漬けて再利用します。そこで今回は、奈良漬粕を使った鮭の粕漬け焼きをご紹介させていただきます。
奈良漬の粕です。袋入りの奈良漬を買ったときに 袋と一緒に粕を捨てないで少しずつためたり 、奈良漬屋さんで粕を分けてもらいます。 |
左から煮きり酒、煮きり味醂、黒砂糖。奈良漬の粕だけで甘味が不足するときは、煮切り味醂や黒砂糖で味を調製します。粕が固くて扱いにくい時は煮切り酒で伸ばします。 |
今回は鮭を使ってご説明します。予め皮と身に多めに塩を振って暫く待ちます。塩の脱水作用により鮭の表面に水分が浮き出たのを確認してから、塩を水で洗い流しましょう。これにより魚に下味が入るのと同時に、魚特有の臭みを抑えることができるといいます。 |
鮭を奈良漬粕に漬けます。鮭をガーゼで包んでから粕に漬けると後の処理が簡単です。漬け時間は切り身の大きさや粕の調味具合によりますが、2〜5日で良いと思います。
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上からも奈良漬粕をのせて |
奈良漬粕が少ないときは、粕を切り身に塗ります |
漬け時間は好みで調節してください。酒粕を洗い流しても良し、ペーパータオルで拭き取るだけでも良し。焼くときは表面が焦げやすいので注意しましょう。焼きたての酒粕香をお楽しみください。 |
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