2017年6月1日木曜日

はり新の観光案内(玉置神社@十津川村)


奈良県十津川村の玉置神社をご存知でしょうか。玉置山に鎮座する玉置神社はネット上で『関西屈指のパワースポット』『最強のパワースポット』として有名です。こちらの神様は人を選ぶと言われ『生半可な気持ち(物見遊山)で神社に向かうと途中で道に迷う、通行止めにあう、車が故障する、そして神社に辿り着けない』との噂がある神社です。奈良県南端にある玉置神社へ一度行ってみたい!と思い、十津川村郷土食の勉強と森林浴を兼ねて玉置神社への参詣に向かいました。神社には到着できましたが、その他の噂をことごとく体験する結果となりました。
こちらは無事に辿り着いた玉置神社参道入り口で撮影した一枚。ここから本殿まで、約15分間林道を歩きます。途中で野生の鹿を見かけました。我々の気配を感じて崖を駆け上がり逃げ去りました。奈良公園の鹿に馴染んでいるので『全速力で鹿に逃げられた』のは生まれて初めての経験、少しショックでした。



玉置神社HPによると、玉置神社は大峰山脈の南端に位置する標高1,076m玉置山の山頂近くに鎮座し、紀元前37年第十代崇神天皇の御宇に王城火防鎮護と悪魔退散を目的に創建された歴史ある神社です。(「悪魔退散」を公式に謳う神社は珍しいのではないでしょうか。しかし、玉置神社に参詣すればそれも納得できる雰囲気でした)また、古くから熊野・大峰修験の行場のひとつとされ、平安時代には熊野三山の奥院と称せられ霊場として栄えてきたそうです。(駐車場番のオジサンには「ここには""で来なあかんな」と言われました。思いっきり物見遊山の雰囲気だったのかもしれませんね)
玉置神社駐車場。
未舗装の駐車場を想像していましたが、
意外と綺麗に整備されていました。
トイレも綺麗でしたよ。

 十津川村は日本一大きな村で村内に電車は通っておらず移動手段はバスがマイカーです。玉置神社は、その十津川村の南端に位置し奈良町から南に車で3時間半〜4時間、その七割が山腹の川沿いの道を走ります。吉野川(紀ノ川)を渡って暫くするとカーナビとiphoneナビが異なるルートを示し、カーナビに従ったところ、途中で道を見失いカーナビが黙ってしまう結果に。なんとか元の道に戻ると、そこから行けども行けども山と崖とトンネルが続きます。センターラインのない細く長く暗いトンネルの向こうからダンプカーの一団が迫ってくる圧迫感は冷や汗ものでした。(これでも昔に比べるとかなり道が良くなったそうですが)
 

駐車場から見えるのは美しい山々の姿
  途中で数カ所、大掛かりな道路工事が施されていました。十津川村では数年前の大水害の傷が癒えておらず、ダンプカーの往来が激しい一画がありました。


 3時間半かけてやっと辿り着いた玉置山に登る道は工事で通行止め。Uターンして別ルートから神社に向かうこととなりました。桜井の笠山荒神社など細い山道に慣れている私でも、玉置神社へ登る道には疲れました。苦労した分、到着した駐車場からの眺めは最高でした。


 玉置神社は、これだけ苦労してでも行く価値は十二分にあります。十津川の大自然の中に立つと日頃のストレスなどちっぽけに思えてきますね。観光気分で来たのは我々ぐらいで、皆さんパワースポットで何かを得ようとする真剣な表情で手を合わせているのが印象的でした。


 玉置神社に到着してから、神社内の様子は以下の写真でご紹介させていただきます。ただ・・、無事に参拝できた帰り道・・車のエンジントラブルでレッカー車のお世話になりました。十津川村の北端から奈良町まで70キロの道のりを牽引していただきました。やはり、生半可な気持ちで行ってはいけないのかもしれません。(でも、また機会を作って行きたいな)
駐車場から本殿への林道は途中で二つにわかれます。右手は階段の上り下りがあるコース、左は比較的平坦なコースらしい。我々は右手のルートへ。遠くでキツツキのドラミングの音が聞こえてきました。崖の下ではトンビが滑空中でした。

途中で山の神様が祀られていました。この崖上で野生の鹿を見かけました。


参道途中で見た神代杉。本殿横から神代杉の近くまで行く事が出来ます。
林道を15分ほど歩くと手水舎が見えてきました。石楠花が綺麗に咲いていました





本殿にお詣りする前に玉石社に向かいます
神社なのに釣鐘。こちらは梵字を刻んだ釣鐘で神仏混淆時代の名残ですね。

玉石社へは三柱神社を通り抜けます。摂社・三柱神社には倉稲魂神(うがのみたまのかみ)・天御柱神(あめのみはしらのかみ)・国御柱神(くにのみはしらのかみ)が祀られています。倉稲魂神は京都伏見稲荷大社で農業や商売繁盛の神様として、また天御柱神・国御柱神は奈良県生駒郡の龍田大社で風を司る神様として祀られています。こちらの神様は厄除けや心願成就の他、精神の病(ノイローゼなど)にも特別の霊験があるとされています。申し訳ありませんが、先に玉石社へ向かうため素通り・・。

社務所にて、こちらの御門は州浜紋、逆さミッキーですね
小心者の我々はこれを見て落ち着かなくなりました。
もう山頂まで登る気などさらさらありません。
階段状になった山道を登ると末社・玉石社へ。大峰修験道では玉石社を聖地と崇め、本殿より先に参拝するとか。我々もそれに従い、最初に玉石社へお詣りしました。社殿はなく御神木に囲われた玉石に礼拝する古代の信仰様式を残しています。山道の一画に祀られていて、適正な表現が思い浮かばないのですが、なんとも例えようのない独特の雰囲気でした。


玉石社から山頂方面を望みます。熊が出ないうちにさっさと本殿に戻ります
(奈良公園で出会うことのない動物は苦手です)

改めて三柱神社へ参拝






新緑越しの柔らかな光に照らし出される狛犬。
標高1000メートルの神社には爽やかな風が吹いていました。
正面に戻り、いよいよご本殿へ。本社御祭神は国常立尊(くにとこたちのみこと)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)。本殿は決して新しくはないのですがみずみずしい新緑を背景にさんさんと降り注ぐ日の光を浴びて建物が輝いて写ります。
本殿横から巨樹林へ向かいます。杉の木の足元には玉石がまかれていました。
樹齢三千年の神代杉。永らく聖域として伐採が禁じられてきたため、温暖多雨の気候と土壌に恵まれ、この一帯は巨樹林となっています。
夫婦杉、二つの巨幹が根元でひとつになった木を夫婦杉と言うことが多いようですが、こちらもその一つ。
樹高25m、幹周8m
無事に参拝できて機嫌良く帰り道を走っていたのですが・・。エンジントラブルで最後は生まれて初めてレッカー車のお世話になりながら奈良に戻りました。ちなみに玉置神社は携帯の電波は入りません。帰り道の山中も電波が入ったり入らなかったり。携帯圏外の山中で車が止まって
しまったらと思うと怖いですね。










社務所前にあった神社案内図。実際は、かなりの高低差があります。歩きやすい靴をお勧めします。
十津川村は険しい山に囲まれた地形ゆえに特有の文化を育んで来ました(例えば、話し言葉のイントネーションは標準語です)。食文化についても同じで、奈良県北部とは異なる郷土食があるのですが、レッカーされた状態ではどちらにも立ち寄れず。玉置神社駐車場で購入した「めはり寿司」が唯一のお土産でした。写真上段は『目をむく(目をはる)おいしさ』→めはり寿司。写真下段は神社駐車場から撮影したパノラマ写真です。





























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