少し手間はかかりますが、調理は簡単 |
●秋の終わり頃、柿の木の天辺に真っ赤に熟した実が1〜2個だけが残ってるのを見掛けませんか。この柿を「木守柿」と呼び、冬の季語にもなっています。
『柿の実を取る時は一番高い所にある実を取らずに残しおくように』と小さい頃に祖父から教わりました。神様の取り分だとか。厳しい冬を迎える鳥のために残しておくとも聞きました。この木守柿にちなんで、秋〜初冬には鶏卵を細工して作った「木守柿(もどき)」を作ります。
木守柿は温泉玉子の黄身を味噌漬けにして鼈甲玉子を作り、これを細工して木守柿に仕立てます。(生卵の卵黄から直接、鼈甲玉子を作る方法もあるようですが、今回は温泉玉子から作ります)
まずは温泉玉子を作ります。室温に戻した鶏卵を水から茹でて、湯温が65~70℃になったらその温度を40~50分間維持します。温度計を入れて40~50分間温度計を見て温度管理するのも良いですが、保温力のある大きめの土鍋なら70℃まで湯温が上がったら火を消してそのまま放置しておいても大丈夫です(蓋をしてくださいね)。
70℃以上にならないように気をつけて |
所定の時間経ったら、鶏卵を水に入れて粗熱をとってから殻と卵白を取って卵黄を取り出します。卵黄についた薄皮も丁寧に取ります。
白味噌に味醂を加えて適当な固さに調整します。味噌の上にガーゼを敷き、その上に卵黄を乗せてからガーゼと味噌を乗せます。
味噌にガーゼを敷き、その上に温泉玉子の黄身を 乗せます。黄身はやさしくやさしく取り扱いましょう。 |
黄身の上にガーゼを乗せてから味噌を乗せます 卵黄に重みが加わると変形するので気をつけます |
3日間味噌に漬けた玉子 |
この後、鼈甲色になった温泉玉子(べっこう玉子)に昆布で細工して木守柿に仕上げます。
昆布を使って"へた"を作ります 昆布が少し厚いので半分に剥ぎました 細く切った昆布は軸にします |
へたと軸に見立てた昆布を鼈甲玉子に乗せると どうです、木守柿にみえませんか |
より秋っぽさを演出するため木守柿を柿の葉にのせて |
木守柿と栗、銀杏を色づいた柿の葉にのせると 色合いが綺麗ですね |
鼈甲玉子を平たく伸ばして成形すると イチョウの葉にもなります |
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