2017年1月19日木曜日

はり新の観光案内(日本最古の厄除霊場 松尾寺)

●「日本最古の厄除霊場」松尾寺をご紹介。日本最大の役行者小角像と日本最古級の大黒天立像は迫力満点です。

●松尾寺は生駒山地と並行して南北に伸びる矢田丘陵の南端に位置します。奈良盆地から松尾寺へ向かう県道123線はこの辺りでは急勾配の登り坂として有名で、真冬の早朝には凍てついた道路を登れない車もみられるとか。公共交通機関で松尾寺に向かうにはバスを利用しますが、最寄りのバス停からでも30分ほど坂を登らなければなりません。これだけ読んでいると気軽に行けるお寺ではないと思われますが、年始には厄除けを求める大勢の人々で境内は賑わいます。「日本最古の厄除霊場」として絶大な信頼を得ているお寺だと分かりますね。

 松尾寺は天武天皇の皇子・舎人親王が養老2年(718年)に42歳の厄除けと「日本書紀」編纂の完成を祈願して建立され、室町時代以降は修験道当山派の拠点としても栄えました。修験道の開祖、役行者ゆかりのお寺でもあります。私が松尾寺に行った時も山伏姿の方が、古い御札などを豪快にお焚き上げされていました。荒々しい山肌と悶々と立ちのぼる煙を見ると、奈良町周辺の寺社とは明らかに違う雰囲気を感じました。

 役行者は実在の人物で舒明天皇6年(634年)、今の奈良県御所市あたりで生まれたとされます。山伏修験道の開祖であり、日本国内の仙人伝説はこの人を元に作られている事が多いそうです。山岳信仰を突き詰め、自ら興こした戒律を守り抜いた人だったのでしょう。松尾寺にはこの役行者小角像が祀られていますが、その大きさから来る雰囲気には圧倒されます。堂内の光の加減でしょうか、他の仏像とは明らかに違う威圧感を感じます。これは電気の無かった時代に堂内の燈明だけで拝見したら、ただならぬ雰囲気を感じそれを霊力と表現する人が居たとしても不思議ではありません。是非、一度お立ち寄りください。(なお、役行者小角像は9月1日から10日までの限定公開です)
こちら役行者像は9月上旬のみの公開

松尾寺は厄除け、役小角像の他に国内最古級の大黒天さんに会えることでも有名です。こちらは福岡の観世音寺に次いで古い大黒天像だそうです。厳しい表情が印象的です。大黒天は元々ヒンドゥー教シヴァ神の化身であるマハーカーラがインド仏教に取り入れられて「大黒天」と漢訳された憤怒相の護法善神。鎌倉期以降は大国主神と習合して現在のような福徳相になったそうです。

✳︎ 役行者像、大黒天立像、は松尾寺HPより拝借しました。



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