手前が紅ズイキ、奥がハス芋 |
● 里芋の茎を食用に柔らかく栽培したものを一般に「芋茎(ズイキ)」と呼びます。ズイキには、皮の赤い紅ズイキ、軟白栽培した白ズイキ(別名;白ダツ)、緑色の蓮芋(ハス芋)の三種類があります。この中でハス芋は、芋を食べずに茎だけを食べる品種で灰汁が全くないので皮を剥いて生でサラダとして食べることもできます。一方、紅ズイキと白ズイキは灰汁が強いので必ず酢水で下処理してから調理することになります。
赤ズイキの甘酢漬け |
色は違ってもシャキシャキとした独特の歯ごたえは共通です。それに断面をみれば判りますが、茎にはたくさんの空洞が開いており、ここにだし汁などをグッと吸い込むので味が入りやすいのが特徴です。
紅ズイキは切断面から灰汁が廻るので、必要以上に短く切らずに出荷されます。以前は収穫した長い(1.5m~2m)ままで市場に出回りました。中央市場では長槍のようにズイキを担いで歩く仲買人をみましたが、昨今は取り扱いやすい長さに切ったものをパックに詰めて取引されます。一方、白ズイキは日光を嫌うので規定量を遮光箱に詰めた状態で大切に運搬されます。奈良はこの白ズイキの生産地としても有名ですが、大半は京都大阪で消費されるようです。
ハス芋の断面 |
紅ズイキの断面 |
ちなみに関西圏以外でズイキは「いもがら」「ほしずいき」「ずきかんぴょう」などと呼ばれ、主に乾燥させたものが取引されます。こちらの呼び名ならご存じの方もいらっしゃると思います。これから蒸し暑い季節には、ハス芋や冬瓜など涼しげな “あお色” の野菜がお料理を引き立ててくれます。
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